この作品は、以前他社で出版されていたものを、「おはなしチャイルド」用に再構成し描き改めたものだそうです。
秋。一羽の鳥が《しいのみ》を落としていきました。春。《しいのみ》は《しいのめ》になりました。子うさぎが遊びに来ました。夏。秋。冬。季節は巡りまた春。《しいのめ》は《しいのき》になりました。子うさぎもすっかり大きくなりました・・・ 何回も夜がきて、朝がきて、春がきて、夏がきて、秋がきて、冬がきて・・・ 《しいのき》はどんどん大きくなりました。それから・・・
日本の四季や一日の移り変わりをこんなにも切実に描いた作品はそう多くないと思います。《しいのみ》の成長をプラスしたことで、子供たちにも時間の変化が捉えやすくなっています。生き続けることの喜びと厳しさ、強さ、美しさ。私たち(みんな)の人生にはいろんなことがあるのだと物語っているようです。
娘が4歳の時に初めてこの本を読みました。どうかな?と少し心配だったので、引き込まれるように聞き入っていた娘に驚きました。絵の色使いもとても素敵です。春の暖かさや、冬の寒さ、朝の喜びや、夜の寂しさが絵からもよく伝わってきます。これからも長く長ーく読み続けていきたいと思った一冊です。