【内容】
ユーモア詩の絵本、かぞくのうた(6)。地球や星たちも広い意味で、家族ととらえた作品が15編。
詩人:まど・みちお、川崎洋、神沢利子、谷川俊太郎、高階杞一、清水たみ子、小野ルミ、矢崎節夫、阪田寛夫、工藤直子、新沢としひこ、本郷健一
イラスト:杉田比呂美
【感想】
一番最初にある、まど・みちおさんの「じいちゃんから いきなり」という作品が一番好きです。これは壮大な話で、日常の悩み事なんか小さい事だと思って忘れられます。心が広い、視野が広い、度量が大きい、器の大きさが違います。
この作品を一番初めに読むことで、これ以降続く作品の世界観が理解できるようになります。入口で、入場許可証をもらったような気分です。
家族、というと、身近な人間と思いましたが、この地上のあらゆる生きとし生けるもの、そして、宇宙も含めて「家族」というとらえ方をしているようです。「仲間」と言ってもいいかもしれません。だから、海や山や地球や星などに向かって、話しかけています。普通に、友達にでも話しかけるように話しかけて、答えが返ってきても来なくても、満足しているような感じなのです。
星や海などは、話しかけても答えないから、ただ、自分が勝手に想像して、空想の相手を設定して独白しているだけのようにも見えます。ただ、この絵本を見ていると、イラストが語りかけてくる感じがするので、相互で話をしているような気がします。
そんな風に、自分で自由に想像して楽しめる作品です。ちょっとした旅行のようなものです。日常からちょっと抜け出して、宇宙を旅したいような時に、ぜひおすすめします。安全に返ってこられますし、費用もさして掛かりません。