「にゃーご」の続編という紹介文があり期待して読みました。
「にゃーご」は1997年初版の作品ですが、月刊誌「こどものくに」に掲載されたのが1989年ですから、何と20年以上前の話の続編ということになります。
我家で大人気の宮西作品の中でも、金字塔として君臨している「にゃーご」ですが、小学校2年生の国語の教科書に掲載されているというのは有名な話。
「にゃーご」は猫を知らない3匹のネズミと猫の話でしたが、「ちゅーちゅー」はネズミを知らない猫と3匹のネズミの話です。
登場する姿形は同じでも、続編という話の連続性はありません。
何が違うかと言うと、ネズミの純粋な心の描き方だと思います。
3匹のネズミが猫と出合ったとき、ネズミ達は、ネズミを知らない猫を騙します。
機転を利かせて身を守ったと言えば聞こえが良いのですが、得意になって騙しているというのが、一寸ひっかかりました。
話の展開としては、外せない部分だと思うのですが、ネズミの純真無垢な気持ちと、それに心打たれる猫のやりとりを描いた「にゃーご」に比べると格段に評価は落ちる感じがしました。
もちろん、猫を助けようとして、危険を顧みず3匹のネズミが大きな声で叫んで他の猫をおびき出そうとしたりするシーンもあって、見応えはあります。
上を向いて、ちゅーちゅーと叫ぶワンシーンは、絵としてもなかなか面白いもの。
オチも、宮西作品ならではのものなのですが、物足りなさが残りました。
「にゃーご」とは別物なので、意識しないで読み聞かせして欲しい一冊です。