これは、若いお父さんお母さんよりさらに昔の世界かも知れません。
私にとってはとても懐かしい昔への郷愁あふれる物語です。
田舎から出てきて訛りをばかにされ、貧乏をばかにされ、弁当代として渡されたわずかなお金を節約して、すり減った男物の下駄をはくお母さんに新しい下駄を買ってあげる。
まさか子どもがそんな思いをして買ってくれたとは思わないお母さんは、とってきたもの思って子どもをしかる。
今の子は「ありえない」とか「ださい」とか言って、軽く流してしまうかもしれないけれど、親子の絆って物はなくても心で結ばれていた時代があった。
子どもにお薦めする前に、親として読むべきところの多い作品です。
実話だそうです。歌手である中村さんの歌詞から生まれた作品だそうです。
漫画家の石ノ森章太郎が序文を書き、多くの人たちが寄せたコメントが含まれています。
団塊の世代が郷愁を寄せる時代の話です。
歌詞の冒頭に次のような詞があります。
「世界中で一番きらいなものはかあさんの怒った顔…
世界中で一番うれしいのはかあさんの笑った顔…
世界中で一番つらいのはかあさんの泣いた顔」
この感覚を子どもたちに判ってもらいたい。