表紙からインパクトがあります。
題名がない?
そうなんです。
題名は背表紙に書かれているだけ。
あとは全て、絵が物語ります。
文字はせいぜい、フクロウやライオンの鳴き声の部分だけです。
イソップものがたりの中の有名なお話ですから、
思い出す人もたくさんいると思います。
ねずみは天敵から逃れて一息と思いきや、ライオンに捕まりますが、
うまく逃げ延びます。
ところが、ライオンは、あろうことに人間のわなに引っかかり、
ネットの中へ。
そこへ、ねずみが恩返しをする、というストーリー。
独特のカメラワークが臨場感たっぷりです。
写実的な絵なのに、ライオンやねずみの心情が伝わってきます。
特にライオンとねずみ、両者の瞳に命が宿っています。
そして、きちんと描かれている、両者の家族。
そのあたりもしっかりと感じ取ってほしいですね。