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モーツァルトはおことわり」 パパの声

モーツァルトはおことわり 作:マイケル・モーパーゴ
絵:マイケル・フォアマン
訳:さくま ゆみこ
出版社:岩崎書店 岩崎書店の特集ページがあります!
税込価格:\1,540
発行日:2010年07月
ISBN:9784265820252
評価スコア 4.3
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  • 音楽とは……

    • はしのさん
    • 40代
    • パパ
    • 神奈川県
    • 男の子15歳、女の子13歳

    『モーツァルトはおことわり』のタイトルから、わがままな少女や頑固な老人が、モーツァルトの音楽をきっかけとした騒動を起こす楽しい話を思い浮かべました。表紙も青を基調とした美しい風景が描かれ、前の見返しも後ろの見返しも街の美しい朝日と夕日が描かれていたので、なおさらでした。しかし、実際は楽しいなどとは言っていられない物語だったのです。

    物語は、新米の記者が上司の代わりに、気難しいバイオリニスト、パオロ・レヴィ氏のインタビューをすることになった場面から始まります。そして、理由がわからないまま、インタビューするときの注意事項として、「モーツアルトの件についての質問をしないこと」「プライベートな話題もダメ」と上司からきつく言い渡されるのです。

    しかし、いざインタビューを始めるというときに、パオロ・レヴィをまえにした記者は混乱してしまい、「モーツアルトの件についての質問だけはいたしません。」と言ってしまったのです。記者は「出て行け!」といわれることを覚悟しましたが、意外にもレヴィ氏から話を始めたのでした。

    ときには心を和ませ、ときには元気な気持ちにさせてくれる音楽が、ナチス・ドイツ時代に、そんな怖ろしくも惨いことのために利用されていたことを知る人は少ないのではないでしょうか。そして、その音楽を演奏しなければならなかった人たちの苦しさを、私には想像することができません。ただただ、今後、音楽がこのような使われ方をしないよう願うばかりです。

    この本には、ナチス・ドイツの惨たらしい行為が描かれてはいますが、
    私たち読者に希望を与えてくれます。読み終えたあとに見る表紙や見返しの絵が美しさは、より一層、その美しさを増したように思えます。
    裏表紙に描かれたユダヤ人の人たちも一緒に、ヴェニスの街の美しさを味わうことができる世の中にしたいですね。

    投稿日:2010/10/13

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    4
  • これだけ深い意味があったとは

    『世界で一番の贈り物』のコンビ、マイケル・モーバーゴとマイケル・フォオアマンの作品というだけで、早く手にしたかった本です。
    タイトルも気になっていたのですが、これだけ深い意味があったことに衝撃を感じています。
    世界的バイオリニストのパオロがモーツァルトを引かない訳は、彼の生い立ちにありました。
    自宅で見つけた、父親が隠していた古いバイオリン。
    道端でバイオリンを弾いている老人。
    両親と老人の共通の過去。
    たどり着いたのは、大戦下のユダヤ収容所でした。
    生き残るために弾いたバイオリン。
    モーツァルトの曲の中で収容所に送りこまれていく多くのユダヤ人。
    3人は仲間たちを見送りながら、生きるためにモーツァルトを弾き続けたのです。
    モーツァルトにはとても失礼な話かもしれません。
    でも、パオロは最後まで生きていた父親を亡くして、モーツァルトを弾く決心をします。
    それは多分、暗い過去への決別。
    父母と老人の葬送の思いが込められていると思います。
    読み終えて深い感動と悲しみを感じました。
    これは、読まないとわからないお話。
    この夏巡り会った最高の本としてお薦めします。

    投稿日:2010/09/06

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