読んでいて、何やら胸が切なくなるような絵本です。
ちびっこはりんごの木が大好きで。
りんごの木もちびっこが大好きで。
とても幸せな時間を過ごしていたはずなのに、やがて時は流れ、成長したちびっこはりんごの木から色んな物を奪ってしまいます。
「きはそれでうれしかった」
このフレーズを見ると切なくなりました。
親子関係のようにも、恋人関係のようにも思えるこの図。
木はずっと彼を待ち、彼に与え続けた。
彼はもう昔の彼ではなく、木のことなんて少しも大事に思っていないのに。
それでも、与え続けた。
与え続けて、切り株だけになってしまった木。
やってきた彼に、「もうあげられるものはない」と言う木ですが、
彼は「もう欲しくない」と。
きっと彼は人生の終わりに近づいているのでしょう。
そうなってようやく、昔のようにただ一緒に過ごすことができた。
今度こそ、木は本当に「うれしかった」のでしょう。
色々と考えさせられます。
子供にも読みましたが、大人の方がハマリました。
繰り返し読みたくなる絵本です。