おおきな木」 みんなの声

おおきな木 作・絵:シェル・シルヴァスタイン
訳:ほんだ きんいちろう
出版社:篠崎書林
税込価格:\1,218
発行日:1976年
ISBN:9784784101481
評価スコア 4.63
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みんなの声 総数 146
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  • 究極の無償の愛

    1本のリンゴの木が1人の人間に限りない愛を捧げる美しくも悲しい物語です。

    リンゴの木が大好きで、毎日やって来ては遊んでいくちびっこ。
    やがて大人になるにつれ、木を訪れる回数が減っていくのですが・・・

    このちびっこ(成長し、途中から「ぼうや」と呼ばれるようになります)、
    突然思い出したようにやって来ては、木に「〜をくれるかい。」と
    要求ばかりしてきます。
    ぼうやのために身を犠牲にして尽くしてばかりのリンゴの木。

    困った時だけやって来て、リンゴの木に要求ばかりするぼうやに、
    最初、「なんてやつだろう」と思ったのですが、読み進めるうちに、
    決してリンゴの木は不幸な気持ちだったわけではないことに気付き、
    ハッとさせられました。

    「きは それで うれしかった。」

    というフレーズが、ぼうやの願いに応えるたびに出てきます。

    愛を与えてばかりのリンゴの木。
    ぼうやが困った時に、きっかけやヒントを与えてくれるリンゴの木。

    それはまるで、親離れしていく子を遠くから見守る親のような気持ち
    だったのではないでしょうか。
    なかなか会えないのは、元気に暮らしている証拠。
    時々思い出して会いに来てくれるだけで嬉しい。
    困った時は言ってごらん、力になってあげるよ。

    そう考えたら、なんだかリンゴの木が嬉しかったという気持ちが
    理解できるような気がします。
    ぼうやの心のどこかに、リンゴの木が存在しているということ。
    見えないけれど、心は繋がっているんですよね。

    考えれば考えるほど奥が深いストーリー。
    大人向けの絵本のような気がします。

    投稿日:2011/02/14

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  • 何年経っても変わらぬ心

     高校時代に、読んで、深く感動しました。すでに、同じ作者の「ぼくをさがしに」を、何人もの人にプレゼントで送っていましたが、「大きな木」のほうが、より強い感動がありました。
    が、この本は、気軽に人に贈ったりせずに、心の中の大切な場所に、しまっておきたいような存在の本でした。最近、村上春樹訳で、また注目されたので、改めて読んでみましたが、正直言って、がっかりしてしまいました。ほんだきいちろう訳のほうを手に入れたいと思い、探しましたが、残念ながら絶版になっているとの事で、慌てて、中古本を注文しました。
     ほんだ訳では、他者への「無償の愛」が感じられたのですが、村上訳は、母親とか、恋人に対する女性の感じで、ある意味、通俗的な印象で、キリスト教的な「愛」とは、違っているかと思います。別に、村上訳が悪いというのではありませんが、これだけ意味あいが変わってくると、ほんだ訳を読んでいない人が増えるのは、もったいないです。ほんだ訳のほうを、ぜひ復刻していただきたいです。出版社さん、お願いします。

    投稿日:2011/01/23

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  • 奥が深い

    大人の自分が読んでも考えさせられました。
    今はただ表面の感想でした。  
    大きくなってから読んでくれたらまた違った観想になるのかな?
    と長い時間付き合える絵本だと思います。

    投稿日:2010/12/09

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  • 懐かしいと

    • 風の秋桜さん
    • 40代
    • その他の方
    • 埼玉県
    • 男の子、男の子

    1〜2歳児の親子のお話会で、原作と、村上さんの訳と3冊を紹介してみました
    すると担当の保育士さんが中学生のころ読んでいたもので大変懐かしがってました
    「たろう、はなこ」と刻まれた文字にも逆に印象が強かったようです
    ただタイトルは。原作通り「与える木」でも良かったんじゃないかなぁと思いましたが・・・
    お話が進むにつれて「少年」が年を重ねて老いていきます
    自然の成り行きですが、呼び名が「おとこ」と変わってしまうことに違和感を感じました

    投稿日:2010/10/04

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  • 子どもはいくつになっても…

    ほんだきんいちろう による『The giving tree』の 日本語訳絵本。
    村上春樹の訳本も出版されたが、個人的にはほんだ訳の方が断然おすすめである。
    残念ながら現在絶版。図書館には所蔵があるはず。

    原書では木を”she”と表現しており母親の無償の愛のイメージが強いが、この本では木の性別や少年との関係性をあまり感じさせない。
    親か祖父母か近所の人かはわからないが、少年が小さい頃からずっと近くで見守って来た人の象徴が「木」であるとの印象を受ける。
    小さかったあの子は、大きくなってもずっと愛しいおちびちゃんのまま、というイメージ。

    原書と比べると意訳がままあるが、文のリズムがとても良く、まるでショートムービーのような空気感を感じさせる。
    ”happy”を「幸せ」ではなく、「うれしい」「たのしくやる」と訳すセンスが素敵。

    白眉は「木はそれでうれしかった」の繰り返しと、その後にくる「だけどそれはほんとかな」。
    シンプルな文なのに目に入った瞬間ドキドキした。

    文に引きずられて絵本なのに絵にあまり重心がいかないのと、原書と違った印象を与えるところが欠点。

    【原書との比較】
    ・表紙カラーが原書よりも濃い緑になっている
    ・印刷が上と右側で5mmくらい切れている?(2頁目で顕著)
    ・献辞は省略

    投稿日:2010/09/28

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  • 心の支え

    • おしんさん
    • 40代
    • ママ
    • 鹿児島県
    • 男の子23歳、女の子21歳、男の子18歳

    森の中の一本の大きな木と、ある男の子との関わり・・・
    男の子の成長と共に、その関わり方はどんどん変化してくる。
    自分の都合で関わっている男の子の様子に、少し不愉快な気持ちになったりしたが、木は、どんな時も、男の子のためにしようとする。どんな時であっても、心の支えになってくれるものがあるということは、幸せなことだと思った。

    投稿日:2010/08/12

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  • 大人の絵本

    いろんな人からこの絵本はオススメだよ〜〜と聞いていたにもかかわらず
    なぜか機会がなくてこれまで読めなかった絵本でした。
    やっとてにしたかと思い、読み終わってみると
    今読めて良かった。とてもタイムリーに読めたことが私の心に大きく響きました。

    小学2年生の娘はただいま反抗期。
    なんでもかんでも自分の思い通りにならないとキーキーとかんしゃくを起こしてしまう。
    そういう娘をうまく受け止められずについつい私も正面からやりあってしまう。
    どう接したらいいのか悩める時期にいます。
    この絵本は大きな木と一人の人間のふれあいの中で
    人間は自分勝手な要求だけを大きな木に求めるのだけど
    大きな木は何もとがめることなくやさしく受け止めます。
    それは自己犠牲のようにも甘やかしのようにも写ります。
    でもそれは単なる[甘やかし]ではない、とてつもない大きな存在なんです。
    いつも人間の心に寄り添ってもらえる安心感がそこにはあります。

    すぐにはこの大きな木のようにはなれないけれど
    もう少し大きな心で見守ることも大事だな・・・と思わせてくれました。
    大人の気づきの絵本だなあと実感します。

    投稿日:2010/06/15

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  • 考えさせられる絵本

    あまりに切なくて泣いてしまいました。
    昔日本の童話に、うさぎどんとたぬきどんときつねどんのお話がありましたがそれにとても似ているなぁと感じました。
    うさぎどんのお話はいつもやさしくお世話になっているおじいさんにあるとき、たぬき、きつね、うさぎが恩返しするというお話。
    たぬきは山の幸をとるのがうまい、きつねは川魚をとるのが上手、
    ところがうさぎはなんの特技もなくおじいさんにあげるものが何も手に入らない。そこでお話の最後に焚き火の中にみずから飛び込み、自分を食べてくださいと。それを見ていた神様が、哀れに思いうさぎをお月様へ送ったと言うお話。

    無償の愛なのかな?とも思う一方、
    そんな愛に気づいていないような男の子の成長と言動を考えさせられました。
    子供の教育を考える大人に読んでもらいたい一冊です。

    投稿日:2010/02/17

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  • 無償の愛って

    • みゆぴちさん
    • 30代
    • ママ
    • 岡山県
    • 男の子14歳、男の子12歳

    子どもが今より少し小さいときに読みました。
    木の愛について考えさせられました。
    木=親、子ども=子ども、と重ねてみました。
    私はこの木のようになれているのだろうか
    子どものために何かできているのだろうかと・・・。

    子どもが大人になったら、また読んで欲しいと思います。
    今より違った感じ方ができるほんだとおもいます。

    愛ってなんだろう?
    口では簡単にあらわせないですね。

    投稿日:2010/02/01

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  • 自分の小ささを感じます

    高校の英語の教科書に載っていた話で、
    ずっと探していた絵本です。
    絵も色はなく鉛筆書きのようで、かわいいです。
    でも鉛筆書きだから、あのなんとも言えない儚い雰囲気が
    出てるのかも。

    人間のどこまでも続く欲の深さ。
    それに対して、りんごの木は自分を犠牲にしてまでも応えようとする。

    それでも「うれしかった」。

    欲がないことの大きさ、欲があることの小ささを感じます。

    投稿日:2010/01/08

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