へその大好きなかみなりは、くろくもに乗り、『ぴか ぴかぴか どろどろ どすん』と
飛び降りては、牛や人のへそを持っていってしまいます。
ある時、『ぴか ぴかぴか どろどろ どすん』といつものように飛び降りたつもりが、
お寺の五重塔につけられた槍にパンツを引っ掛けてしまい、宙ぶらりん。
人々をさんざん困らせてきたかみなりです。皆は、鉄砲で撃て、殺せ、などと口々に
叫んでいます。おしょうさんの説教に、もういたずらはしないと誓ったかみなりですが、
大好物のへそがないと困ると訴えるかみなりに、おしょうさんはいい案を思いつきます。
昔話といえば、赤羽末吉さんの絵ですね。
筆で書かれたタイトルも味があります。
縦にページを繰っていくところも、変わっていました。
欲を言えば、『ぺったら どっすん ぺったら どっすん……へそもちを やまのように
つくりました』だけでなく、へそもちの説明(へその形をしたもので、本物のへその味に
似ている、など)を添えてあったらなおよかったな、と思いました。
あるいは、かみなりが、そのへそもちを一つ試食?して「うまい」と満足してから、
残りのへそもちをどっさり持ってくろくもに帰る、とか…。