おえかきと歌が大好きな娘のために購入した本ですが、「えかきうた」は娘にとって初めて。1回目に読んだときには、えかきうたごとに、「ふーん」と、わかったようなわからないような?反応を示しただけでしたが、翌日、色鉛筆を手に、本の中のえかきうたを歌いながら「めがね」を描いた娘。嬉しさあまり、親の欲が出て、「もっと他の絵も!」と、「えかきうたのほん」を持ってきてみると、・・・。意外にも、子どもにとって、三角を描くのが難しいんですね。お人形の「リリコ」も「こぶた」も「おうち」も三角形があるので、とがった角をうまくかけない娘は、最初から悪戦苦闘。もう1つ、いつもは自由に、自分の描きたい絵を、好きな色で、好きな線で描いている娘にとって、えかきうた通りの形に描く、ということが、ものすごいプレッシャーとストレスに感じてしまったようです。お子さんの性格や、絵本を与える時期にもよると思いますが、単純に「お絵かきが好き=えかきうたが好き」というふうにはいかないんだな、ということがわかりました!その夜、お風呂に入りながら、湯気で曇ったガラスに、えかきうたの絵を2人でいっしょに歌いながら描いてみると、今度は、とっても楽しく、のびのびと描けて、それをきっかけに、3日目には、6つすべてのえかきうたを覚えてしまった娘でした。今も、このお話が大好きで、毎日読んでいます。自分で描いた絵が動き出す、という小さなファンタジーが、子どもの心を捉えるのでしょうね。絵もとてもかわいらしく、えかきうたの絵と背景のほかの絵がこれほど違和感なく溶け合っているのも、西巻茅子さんならではのこと、と思います。