表紙を見ると、舌の長〜い おばあさんが怪しい。。
絵本作家の「武建華」さんは、中国の人気絵本作家。
でも、なんだか日本の昔話に出てきそうで違和感がない。
この作品は「ちひろ美術館コレクション絵本」なのだそうだ。
おばけ達がまだ、あちこちの山や森に住んでいた頃のお話。
オクヤマ岳の峠に「舌ながばあさん」と「朱のばん」が住んでいて、
舌ながばあさんの楽しみは、峠にやってくる人間を驚かすこと。
ところが最近は誰も山を登ってこない。
そこで2人は人間を脅かすために山を下りて村に向かってみた。
村に着いてみると、村人達はおなかを空かせていて
舌ながばあさんや朱のばんを怖がろうともしない。
聞けば、水不足も深刻なのだという。
川の水が枯れて、米も芋も育たないのだと…。
人が困っていたら助けないわけにはいかん、とばかり
舌ながばあさんは朱のばんと一緒に湖に向かった。
湖を塞き止めている大木を運び出していると
突然、水の中から竜が現れる。
舌ながばあさんと朱のばんは竜との闘いに勝ち、
七色に輝く竜の玉の中に竜を戻し、池の深いところに沈めてやった。
すると、村はすっかり元通りに戻った。
この昔話風なストーリーを介して、
人間は科学技術を発達させているが、自然を甘く見たり森林伐採が進むと
自分達に災いがもたらされるという教訓がこめられているように思えた。
舌ながばあさんは「おばけ」なのにも拘らず、
愛嬌もあって、人情もあるので、人間に慕われているところも素敵☆