恐竜の物語、と思い、親が先に読んでおかなかったのがまずかった(まずくもなかったのかもしれませんが)・・・恐竜が大好きな息子に読んであげようと何気なく読み進めていったら、最後のほうは母と子で号泣。1年生の息子に「なんでこんな本読むんだよオオ」と責められるほどでした。
さて、友情という点では泣かせられましたが、納得いかないことがあります。
ティラノサウルスが肉食で、弱肉強食の自然の摂理のなかで生きていくのは仕方ないことであり、決して興味本位や意地悪でスティラコサウルスたちをおそうのではないのです。物語の真意がそこにはないとしても、恐竜にはまっているものにとっては、そっちのほうが気になって物語をすべて受け入れることができません。赤い実を採る生活になったティラノ。友情のために食べ物も受け付けなくなったとしたら、最後のページの後、セラスモくんと運命を共にしたのだろうか・・・。余計な想像をふくらませてしまいます。
たとえば「オオカミ」が悪役として物語に登場しがちなのと同じ、と考えればそうなのかもしれませんが、恐竜大好きな母子にとっては「おれはティラノサウルスだ」に引き続き、なんでティラノ=悪役なんだろうと思ってしまう設定かも。。。恐竜好きな子よりはかえって恐竜に詳しくない子向けかもしれません。
作家さんの深い信念から生まれたのでしょうから、私のような考えは浅はかなのかもしれませんね。読み重ねるともっと深く理解できるのかもしれません。