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ひさの星」 パパの声

ひさの星 作:斎藤 隆介
絵:岩崎 ちひろ
出版社:岩崎書店 岩崎書店の特集ページがあります!
税込価格:\1,650
発行日:1972年
ISBN:9784265909070
評価スコア 4.62
評価ランキング 3,890
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  • ちひろの世界

    とても哀しい話です。誤解されても何も言わず、口数の少ないひさ。
    ひさの素晴らしさは、後から人が知るところとなります。
    人によっては、「なんで主張しないの」と思うかも知れません。
    不幸せすぎるから。
    ひさにとっては、何の救いもない話のように思えます。

    でも私は、いわさきちひろさんがこの絵本の絵を描いたことで、とてもおおきな意味を感じました。
    ちひろさんは、平和を愛し子どもを慈しみ思想の人でもあるからです。さりげなく描かれたように見えがちな絵に、とてもすごいメッセージを込めています。
    子どもたちの姿が、線で整えらるのではなく、絵の具と筆の醸し出す柔らかさで、とても強い存在感を示していることにも感銘します。
    感性の絵とでも言うのでしょうか?

    ひさを捜す村人達の動き。遠くを見つめる村人の後ろ姿。
    風景に溶け込んでしまっているようで、鮮明な子ども達の目。
    登場人物のない絵にもメロディがあります。
    いわさきさんの伝えたかったのは、理不尽な悲惨さに対して、「考えて下さい、考えて下さい」ということだったのでは。
    絵がとても重いから。

    この絵本を見て、ちひろさんの絵にとても感動しました。
    絵を見て、考えて、受け止める絵本です。

    投稿日:2009/07/31

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