お母さんと娘が夏休みに特急列車、急行列車、普通列車を乗り継いでおじいさんの住む田舎に出かける話。それ以上のストーリーは何もなく、主役は列車です。山本忠敬さんの絵は、リアルだけど、乗り物への深い愛情が感じられる、どこかあたたかい感じのする絵で、山本さんの本好きの息子はこの本も釘付けでした。JNR時代のレトロな車両には父親も釘付けでした。
列車以外の絵の細部も楽しいです。同じ山本忠敬さんの本の「しょうぼうじどうしゃじぷた」の じぷた が描かれたTシャツを着た人がプラットフォームを歩いているのを見て、「きっとここはじぷたの地元なんだ」と想像をふくらませたり、「釣りをしている人がいるね」「牛がいるね」などと背景も楽しみながら読めます。