ぼんやきゅう ぼんやきゅう
文: 指田 和 絵: 長谷川 義史  出版社: ポプラ社 ポプラ社の特集ページがあります!
亡くなったひとたちと、いまを生きているものとの交信、それが、盆野球。

ハルばあちゃんの手」 パパの声

ハルばあちゃんの手 作:山中 恒
絵:木下 晋
出版社:福音館書店
本体価格:\1,500+税
発行日:2005年06月
ISBN:9784834021066
評価スコア 4.85
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  •  中学校の美術の授業で自分の手を描く、そんな時間があった。その時に描いた絵はとっくにどこかに消えてしまったが、もし残っていたら私の手はどんなに変わっているだろう。
     人生のさまざまを手に刻んできただろうか。
     この絵本は山中恒が文を書いているが、絵を担当している木下晋の鉛筆画が印象的だ。
     赤ちゃんのふっくらした手、少女のやさしい手、娘のなめやかな手、妻のそして母の強い手、そしておばあちゃんのしわだらけの手。
     人の手はさまざまな経験をそこに刻んで変化していく。
     山中の描く物語は海辺の小さな村に生まれたハルという女性の一生を描いたものだが、木下はそれを見事に絵に書き留めている。

     ハルの左手にはほくろがあった。「器用で幸せになる」と村の人たちはいってくれた。実際そのとおりにハルは器用な少女に育つ。ハルがつくったかずらのつるで編んだかごが男の子と運命的な出会いをもたらす。
     ハルが15歳の時戦争で父親がなくなる。母親も病気でなくなる。ハルの厳しい時代が始まった。「幸せになる」といういわれてハルは男にまじって働くしかない。
     そんな時、あの男の子がハルの前に現れる。ユウキチは神戸でケーキつくりを修行しているという。嫁にするから必ずまっていてくれとハルと約束する。(このページにはハルの手は描かれていない。描かれているのは、ハルの瑞々しい顔だ)
     ユウキチはなかなか迎えにはこない。ある日、突然現れて、ハルとユウキチは結婚をする。
     ユウキチはケーキ屋さんになっていた。ハルは店を手伝い、店は繁盛する。
     男の子が二人、成長して大学にも行った。しかし、店は継がないという。
     やがて、ハルもユウキチも年をとる。ユウキチがなくなったあと、ハルは海辺の村へ帰って盆踊りの踊り手として、昔のように美しく踊るのであった。

     最後、今までの白を背景にした絵が黒の世界へ変わる。まるでそれはハルの死出の旅のようにも見える。
     ハルはなんと仕合せな人生を生きたことか。感動的だし、生きるということを深く考えさせられる作品である。

    投稿日:2016/06/05

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  • 絵が語っています

    読み終えて、心に突き刺さるものを感じました。
    それを感動というのか、何にそう感じたのか。考えると、この絵本の絵に違いはないのだけど、美しさというのではなく、優しさというのではなく…。

    繊細な鉛筆画で決めの細かい、絵が続きます。手だったり、足だったり、人の顔も写真のように鮮明でありながら、どこか乾いているのです。目はこちらを見ていません。決して笑ったり怒ったりしていません。
    実は、この絵が物語りをとても伝えていることに考えが及んだ時に納得できました。

    この絵本は語っているのではなく、見せているのです。
    ハルばあちゃんの一生。
    生まれて、育って、知り合って、死にあって、別れがあって…。
    でも、全てを受け入れているハルばあちゃんの手。

    これはすごいことです。小説ではとても饒舌な山中恒さんの抑えに抑えた淡々とした物語を、これほど饒舌に語りつくしているのですから。
    しかも、文字の赤と、モノクロームの絵にただ一つ添えられた魂の赤。
    この絵本は芸術です。

    絵本の表紙の手が好き。背面のハルとユウキチの幼い頃の笑い顔が好き。
    そして、その二つにはさまれた本の中に、ハルとユウキチの笑顔はない。
    もっと奥深い、社会、歴史、人生を包み込んで、この絵本は完結しています。
    悲しさや、苦しさや、寂しさや、多分だれもが感じる人生の断片を「ユウキチさん、わたしはあんたのおかげでずっとしあわせだったよ」と、ユウキチ亡き後で一人盆踊りで踊るハル。

    背面に「読んであげるなら5才から、自分で読むなら小学校初級から」ってあったけど、これって児童書?

    投稿日:2009/07/06

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  • 憧れる一生

    赤ちゃんの手、働く手、おばあちゃんの手。
    いろいろな手がでてきます。
    手も顔と同じように表情ってあるんですね。

    このお話はハルという女のひとの
    一生のお話ですが、とてもぐっときました。
    最後のずっとしあわせだったよという言葉。
    そう思える人生ってなんて素敵なんだろうと
    思いました。
    心のパワーが欲しい時に読みたい一冊です。

    投稿日:2008/09/30

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