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むげんことわざものがたり

むげんことわざものがたり(偕成社)

好評につき2刷!ことわざがつながって、ひとつの物語になったおもしろ絵本

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ポテト・スープが大好きな猫自信を持っておすすめしたい みんなの声

ポテト・スープが大好きな猫 作:テリー・ファリッシュ
絵:バリー・ルート
訳:村上 春樹
出版社:講談社 講談社の特集ページがあります!
税込価格:\1,870
発行日:2005年11月
ISBN:9784062131957
評価スコア 4.72
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みんなの声 総数 24
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  • おじいさんと猫の絆

    • ムースさん
    • 40代
    • ママ
    • その他
    • 男の子12歳、女の子6歳

     おじいさんと猫は、ひとつ屋根の下で暮らしています。お互い大切な存在であることがわかっていても、気持ちをあからさまにすることはありませんでした。ねずみ1匹つかまえたことがない猫の好物は、おじいさんの作るポテト・スープ。あたたかいスープを食するひとときが、おじいさんと猫の心のよりどころでした。そんなある日、日課の魚釣りに猫がついて来ようとしませんでした。「猫がいなくてどうだっていうんだ? ただのやせっぽちの猫じゃないか」――。おじいさんは、そのままひとりで湖に出かけました。
     湖の一件を通して、いつもいっしょだった関係から片方がいなくなることで、おじいさんも猫も相手の存在を大きく実感することになります。この時間は読者にとってもつらいところ。無言で互いを心配し合う姿がじんと胸に迫り、いっしょでなければ淋しいという現実を思い知らされます。この箇所、無言のいたわりは言葉で伝えるより何倍もの温もりを持ち合わせることをしみじみと示してくれ、思わずほろり。
     どちらかといえば物語の展開を味わうというよりも、絵本の中に流れる空気と時間に浸る作品です。おじいさんと猫の会話、しぐさ、表情ひとつひとつにお互いへの信頼が表れ、同時にひとり暮らしの気ままさとさみしさも描かれます。
     ひとり暮らしのおじいちゃんやおばあちゃんのいる小学生向けの絵本でしょうか。わたしは思わず自分の晩年を思い描きました。ちょうどテキサスの農場(ランチ)でひとり暮らしをしているおじさんがいるので、息子はイメージしやすかったんじゃないかな。というのは主人がテキサス州ダラス出身で、うちは親戚一同みな、主人公のおじいさんが暮らしているであろうダラス、フォートワース周辺に住んでいるのです。原書だともっとテキサスの田舎色が出るのですが、たとえば京都弁や東北弁をどういう英語にすればいいのかということと同様に、南部英語をどんな日本語にすればいいのかという難題は永遠に解決されません。翻訳では不可能です。なので静かであたたかい村上色たっぷりの語りで読めることは、作品の本質が十分に伝えられているだけに非常に恵まれたことじゃないかと思いました。テキサスの冬の陽が感じられるイラストも味わい深いです。
     ところであとがきに記されているおじいさんの帽子はMLBテキサス・レンジャーズのものではなく、NFLダラス・カウボーイズの帽子です。テキサス騎馬警備隊(テキサス・レンジャーズ)のシンボルがローンスター(ひとつ星)なので、ややこしくなるのですね。

    投稿日:2006/03/13

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    4
  • 素敵な相棒

    訳者が村上春樹さんということで目に止まった本です。
    ネコ好きの村上さんが米国の書店で目に留めた絵本をすぐそのまま訳してしまった(という話があとがきに記されています)というだけあって、まさに村上さんらしい文章がつづられています。

    お話は、米国テキサス州に住む老人とその飼い猫の日常生活を切り取ったもの。
    日々淡々と繰り返される、さかな釣り、そしてポテトスープの毎日。
    そのなかで、老人とこの猫は、表面上はとてもさりげない、でも心の奥底で深く深くつながっているんですね。
    ある日のちょっとした行き違いから、離れてしまった時期。
    おじいさんの諦観の底にある悲しみが伝わってきます。
    そして再び戻ってきた猫とのやりとり。
    そうか、猫ってこういう生き物なんだな・・・。
    お互い、言葉が実際に通じているわけではないけど、気持ちはちゃんと通じている。
    べたべた仲がいいという間では決して無いけれど、一緒にいるだけで心が和やかになれる関係って、いいですね。
    私も年を取って一人暮らしになったとしても、こんな相棒がいたらいいな、と思います。

    読後感はとてもさわやかでした。
    心和む、いい絵本です。挿絵もとても素敵です。
    どちらかというと、大人向けの絵本かもしれませんね。

    投稿日:2010/12/12

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    1
  • テキサスの田舎に住むおじいさんと、年を取った雌猫の何気ない日常を切り取った絵本
    ネズミ一匹取れないと文句を言いながらも冬の日に電気毛布を持ってきてあげたり、ポテトスープを作って一緒に飲んだり、おじいさんの猫に対する愛情を感じる絵本です

    投稿日:2023/03/12

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    0
  • タイトルに惹かれて図書館で借りたのは文庫サイズ。訳者あとがきを読んで、英文を読んでみたくなって、中古本を取り寄せました。米国から届いた本は思っていた以上に大きく、今度は絵の細部までよく見えて、再度訳者あとがきを読みたくなって日本語版も購入しました。
    おじいさんと猫の交流も、絵の細部に書き込まれている「小道具」も、読めば読むほど奥深い。冬になって読むと、猫が朝寝坊した理由がわかりました。
    新型コロナ禍のオンライン授業の一環で、小学高学年に紹介しました。中学生向きの本を読んでいる児童たちに「絵本」はどうかな?とも思いましたが、のちに中学生の国語の教科書に掲載されていることを知りました。絵と文のどの部分が掲載されているのかが気になります。

    投稿日:2021/05/31

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  • いとしさ

    • まことあつさん
    • 30代
    • ママ
    • 東京都
    • 男の子8歳、男の子5歳

    ネコはどちらかと言えば苦手なのですが、
    最後の場面でネコが自分の冒険譚を
    必死に伝えようとする場面には
    ネコに対していとしさを感じました。

    すべてネコ語なのに
    おじいさんがなんとなく理解し、
    「今度から置いていかないでね」というメッセージを
    淡白な二人が発し受け取るところがよかったです。

    愛情を伝えあうわけじゃないのに、
    かけがえのない存在として
    おじいさんとネコが住んでいるところが
    何とも言えず、いい感じでした。

    投稿日:2020/09/02

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  • 美しい

    中学生の娘が
    「読んでみて」と教科書を見せてきたので
    何かと思うと、
    このお話が載っていました。
    娘は先生に「この老人と猫の関係性を一言で表して」と言われ
    「長年連れ添った老夫婦」と答えたそうです。
    読んでみると
    本当に、緩やかな日常、あたたかい時間が流れているような文でした。
    調べてみると絵本があるようだったので
    早速図書館で借りてきて読んでみると
    教科書の文は、若干抜粋されていたのと
    やっぱり絵がついていると感じ方が少し変わり
    よりふわりとした雰囲気と、登場するおじいさんと猫の描写が際立ちました。
    文庫本も出ているようなのですが
    絵と文が一体となったこちらの本を強く勧めます!!

    村上春樹さんがアメリカの街を散歩中に、ある書店で見つけ
    表紙絵が気に入って購入し、持ち帰って、そのままの勢いで訳文を書いた・・という絵本なんだそうです。
    そういったいきさつが楽しめるあとがきもあわせて
    温かさを感じる一冊です。

    投稿日:2018/11/16

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  • しみじみとおもしろい

    • じっこさん
    • 30代
    • ママ
    • 東京都
    • 女の子6歳、男の子2歳

    年老いたネコと老人の二人のお話です。地味なお話なのですが、しみじみとおもしろいです。このおもしろさは大人向けかな。でも、6歳の娘もおもしろかったと言っていました。絵も素敵です。
    決して、村上春樹さんのファンではないのですが、訳者あとがきは、村上さんによってこの絵本のことが書いてあり、それがなかなかおもしろかったです。ぜひそちらも読んでみてください。

    投稿日:2017/09/28

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  • 題名に惹かれて、表紙の絵に惹かれた絵本ですが、
    おじいさんと猫の、二人の生活の姿が丁寧に描かれていて好きな本です。
    3年前まで一緒に暮らしていたおばさん猫と同じ色の猫なので
    余計にこのお話しが愛しくなります。
    電気毛布に満足して眠る猫。自分の意見を主張して怒る猫。
    この二人ができるだけ長く一緒に暮らせたら良いなと思います。
    訳者の村上春樹氏が、ウインドウでこの絵本に目を止めてくれて
    本当によかったです。

    投稿日:2017/05/25

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  • 素朴な雰囲気

    おじいさんと、おじいさんが作ったポテトスープが大好きな猫の日常がほのぼのと描かれていました。電気毛布が必要になるくらいの季節、朝が肌寒くて、ちょっと長めに寝ていたかっただけなのに・・・おじいさんがでかける時間になっても起きてこないので、家に置いて行かれてしまった猫。その後の猫とおじいさんのやりとりが面白かったです^^

    投稿日:2017/05/27

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  • 村上春樹さん

    猫好きとしては、このおじいさんと猫との関係がとっても
    よくわかります。こんな風にお互い適度な距離を置きつつ、
    自然に思い合って暮らしていけるんですよね、猫と人間って。
    べたべたしていないけれど愛がある、こういった関係って
    いいなあって思います。

    猫好きな村上春樹さんの訳です。
    あとがきもとってよかったです。
    翻訳者としての細かい説明がとってもわかりやすくて。
    全く知らない土地が舞台になっているものって、「いかにも
    そこらしい」ことが書いてあっても、知らないまま通り過ぎて
    しまいますものね(もしかしたら猫好きではなく、猫と暮らした
    ことがない人はこの絵本の「らしさ」がうまくわからないかも
    しれない・・のと同じように)。テキサスのこととか。
    郵便受けのとなりに便器が置いてあったのも「なぜなんだろう?」
    って不思議に思っていたのです。謎が解けてよかった(笑)。

    アメリカでは茶色い猫のことをオレンジ・キャットって言うの
    ですね。ほうほう。春樹さんは日本では「茶猫」というところを、
    と書いていますが、いやいや、私のおばあちゃんは(田舎に住んで
    いたおばあちゃん)、「赤猫」と言ってましたぞ。日本でも
    アメリカでも同じような言い方あるものなんだなあと思った私です。
    ああ、ポテト・スープが飲みたくなりました。

    投稿日:2013/10/16

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