娘が2歳くらいに読み聞かせて以来、娘の大好きな本のひとつです。
小さな頃から一緒にいる「こん」と「あき」は、家族であり、かけがえのない友人どうしです。
おばあちゃんのうちまでのふたりの冒険は、楽しいけれど大変なこともあるたびです。
あきちゃんの表情のひとつひとつが、本当によく描かれていて、娘と重ねて見てしまいます。
こんにもきちんと表情があって、こんの感情が分かり、
こどもにとって大事なものには、ちゃんと魂が宿っていることが感じられます。
腕がほつれても、しっぽがぺちゃんこになっても、
「だいじょうぶ、だいじょうぶ」というこんの気持ちや、
こんをおぶって走るあきちゃんの気持ちを思うと、
いつも胸の奥がきゅっとなります。
数年前の雑誌「母の友」を手に入れたときに、
娘が釘付けになったのは「こんの作り方」と「こんの型紙」のページでした。
何度も何度も繰り返しページをめくる娘を見ていて、
「こん」を作れるだけの裁縫の腕があれば…と思いました。
作者の林明子さんは、実際に「こん」を作られて、絵本をおり、
作中のおばあちゃんは、ご自身のおばあさまがモデルだそうです。
私が年を取ったときには、こんなやさしいおばあちゃんになって、
孫にぬいぐるみを作って贈りたいです。