お話には大人目線と言うか、自分目線だと突っ込みどころ満載ですが、イラストのユーモアのセンスはずば抜けています。
敢えて花の香りで改心した運びには突っ込む気はありませんが、毎度毎度完璧な家を全部作れるほどの材料をちゃっかり人からもらってばかりのオオカミさんだなぁとか、花で家を作ったら発想は素敵だけど現実問題耐用期間は一週間と持たないヨ!とか、オオカミさん達、人畜無害のやさしいお顔で実はよく見るとやっぱり肉食獣なのか・・・などなど思ってしまったりして・・・・
(その辺に関しては、もしかしたら深い意味や風刺が込められているのかもしれませんね)
ですが、イラストは他に類を見ないほどセンスが光っています!
のっけから子供たちを送り出す話におよそふさわしくないお母さんオオカミの仕草とアンニュイな表情に噴き出します。
オオカミさん達と大ブタの表情豊かなイラストが何度見ても飽きません。また脇役勢も、カンガルーのちょっととぼけた表情や、サイの人がよすぎる顔、などにも思わず笑ってしまいます。
星四つにしたのは、子供受けは満点で、毎日毎日飽きもせずこの本を持ってきては読んでくれとせがまれますが、声に出して読んでやる側は全く同じ長い長いセリフが何度も出てくるので、毎日読んでいると少々疲れます・・・・
そんな事を言いながらも、これは間違いなくお金を出して新書を買った甲斐があったと思える一冊です。