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作: アレクサンドラ・ミジェリンスカ ダニエル・ミジェリンスキ 編: 徳間書店児童書編集部  出版社: 徳間書店 徳間書店の特集ページがあります!

あこがれの機関車」 大人が読んだ みんなの声

あこがれの機関車 作:アンジェラ・ジョンソン
絵:ロレン・ロング
訳:本間 浩輔 本間 真由美
出版社:小峰書店 小峰書店の特集ページがあります!
本体価格:\1,500+税
発行日:2008年09月
ISBN:9784338235044
評価スコア 4.63
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みんなの声 総数 7
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  • 分かち合う思い

    • のきこさん
    • 30代
    • ママ
    • 群馬県
    • 男の子6か月

    偶然手に取ったこの絵本に魅入られてしまった。

     「あこがれの機関車」アンジェラ・ジョンソン

    主人公は、ミシシッピで家族で綿花摘みをしている黒人の少年。少年には憧れているものがある。
    南から北へと走る機関車だ。そして、機関車を走らせる機関士のケーシー・ジョーンズにも。

    機関車は、苛酷な現実から希望の土地へ少年を運んでいってくれるものであり、黒人の助手と一緒に機関車を運転する、勇敢なケーシー・ジョーンズは、少年にとってのヒーローである。そして、ケーシーの鳴らす、少年の心に強く響く特徴的な汽笛は、希望の象徴なのだ。

    少年の父親の、
    「汽笛が遠ざかっても その音は昼も夜も1日中鳴り続け、お前の心に語りかけるのさ」
    という言葉が心にしみる。汽笛は、まるで少年に何かの覚醒を促しているかのようである。

    初めは、受け身だった少年は、ケーシーの悲劇的な事故を機に変わる。絶望する少年に父親は、

    「いいや、終わりはしないさ。他の列車や機関車がかならずあらわれる。」

    と語り、少年は、自分の身近にずっと同じ思いを抱えていた人間がいたことに気付くのだ。

    同じ思いや願いを分かち合えることの力強さが、感動的に胸に迫ってくる場面だ。



    そして、本文もそうだが、どことなく、クリス・ヴァン・オールズバーグに似ている絵も、素晴らしい。
    特に、本文6ページの絵が詩的で心に残る。少年が線路を伝い歩く場面で、線路の下は池のようだ。少年の足元には、帽子をかぶった男の影が映り、水面にはハスの葉が浮かび、波紋が広がっていく。少年の心の中でケーシーへの憧れが育っていく心象風景を見事に表した場面だと言える。


    ただし、この話は事実を基にしてあるそうで、そんな事情から起因してか分かりにくい部分もあるのではないかと思う。巻末に、簡単に機関士ケーシー・ジョーンズと彼の悲劇的な事故、その時代の黒人が彼に寄せる気持ちを簡単に説明してあるのだが、それを読んだとしても、本文にこれはどういう意味なのだろうかと首を捻らざるを得ない部分があった。

    しかし、その部分を差し引いたとしても、この作品の持つ力強さは心を打つ。

    筆者の、アンジェラ・ジョンソンは他にも作品を描いているようだが、そちらにも興味が出てきた。

    投稿日:2010/09/04

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  • 心に余韻の残る絵本

    「あこがれの機関車」の題名にひかれて本屋に買いに行った。
    題名からイメージしていた表紙の絵がちょっと違っていたのでまず驚いた。読み進む内に、現実と空想が重なりあっている感じがして不思議な感覚にとらわれた。
     最後のページの「この本について」の説明を読み時代背景がはっきりして、より本の内容を理解する事ができた。

      読み終えて心にずっと余韻が残っていた。
      絵本の最後の行
        「そして 大きくて広い世界の ぼくの いばしょ。」
       心に滲みる文章だ。

    投稿日:2008/11/24

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  • 1900年の機関車事故の実話

    • ジュンイチさん
    • 40代
    • パパ
    • 東京都
    • 男の子12歳、男の子6歳

    読み終えた感想は、一言で言って絵本の域を超えているということ。
    その読後感の余韻は、クリス・ヴァン・オ−ルズバーグの作品を読み終えた時と同じような言い知れぬものがありました。

    訳者のあとがきに下記の通りのコメントがあります。

    『広大なミシシッピのデルタ地帯、20世紀初め、ミシシッピ州キャントンとテネシー州メンフィスを結ぶイリノイ・セントラル線で、ジョン・ルーサー・ジョーンズが運転するキャノンボール号が走っていた。
    線路沿いの綿花畑で、黒人達は長時間働いていた。
    この綿花畑で働く大勢の大人や子供達にとって、猛スピードで北へ向かって走るケーシーの巨大な機関車の姿と、トレードマークの長く鳴り続ける汽笛の音は希望の象徴だった。

    加えて、この時代にアイルランド人のケーシーが、黒人のシム・ウェップを助手として一緒に働いていた事実は、かつての奴隷制度により痛手を受けた人や、アメリカ人として対等に扱われることを求めていた人たちの希望を膨らませたに違いない。

    それゆえ、1900年4月の嵐の夜に起こった衝突事故でのケーシーの悲劇的な死は、稀有のヒーローだっただけに、市民権を与えられていなかった黒人コミュニティーに強い衝撃を与えたことは無理もない。』

    そんな背景があって、実話を描いた作品です。
    機関車を描いた絵本ですが、一般で考える機関車の絵本とは一線を画する作品だと言えるでしょう。

    根底に、希望を持って生きることの大切さを訴えかけてくるような作品です。
    その絵は、とても重厚であって、深い背景を正に象徴しているような作風だと言えると思います。
    文章の語り口も、心に響いてくるもので、叙情的ですらあると言えます。

    対象は、小学生中学年以上とありますが、本質を知るには中学生くらいからでないと理解出来ないかもしれません。

    投稿日:2008/11/16

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  • 余韻がいつまでも残る絵本

    20世紀初め、ミシシッピ州とテネシー州を結ぶイリノイ・セントラル線と、機関士のケーシーは、線路沿いで汗水たらして働く黒人たちの憧れだった。

    線路を疾走する機関車とケーシーのならす汽笛は「ぼく」の夢をふくらましてくれる。

    *****

    機関車や電車、乗り物の絵本は巷にあふれているが、それらとは一線を画する。

    重厚な絵と詩的な文章は、大人にとっても読み応えたっぷりだ。

    反対に、子どもにはちょっと難しいかもしれない。

    子どもにとっては、すっきりと分かる物語ではないかもしれないが、この絵本に出会った子どもと出会わなかった子どもでは、その後成長してから、決定的な違いが出てくるような、そんな感じがする。

    だからこそ、子どもにも是非読んでもらいたい(読んであげたい)絵本だ。

    投稿日:2008/10/19

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