この絵本のことを知らない子どもたちはいないかもしれない。
この絵本のことを知らない大人たちも少ないかもしれない。
まして、絵本大好きなママさんたちはこの絵本が大好きだ。
折り紙で「あおむし」君を作ったり、揃いの「あおむし」君Tシャツを着たりして。
何より、この絵本の読み聞かせともなれば、読む方も聞く方も楽しくて仕方がないのじゃないだろうか。
この絵本は仕掛け絵本というジャンルにはいるのであろうか。
大がかりな仕掛けではない。
「あおむし」君の食事と仕掛けがうまく重なって、仕掛けが何重にも面白く出来上がっている。このあたり、ページの中から子どもたちの歓声が聞こえてきそう。それってもしかしてもっとも大きな仕掛けだったりする?
しかし、この絵本の本当の仕掛けはその色ではないだろうか。
「あおむし」君の身体の緑ひとつとっても、その多彩さに目を奪われる。ましてや、成長してちょうちょになったその姿の豪華さはどうだろう。
子どもたちのため息が聞こえるようではないか。
おそらくこの絵本の魅力は何年経っても変わらないだろう。
私たちがいなくなっても、次の親たちが、その次の親たちへと、そしてそれは新しい子どもたちにも間違いなく続くだろう。
時代を超える。
これがもっとも大きな仕掛けではないか。