とても夢があって、出てくる大人はみんな優しくて、だからミリーも優しい。
こんな絵本は是非とも子供に沢山読んであげたいなと思いました。だからこそ課題図書に選ばれているのかもしれませんね。
見るからに高級そうなものが並ぶ帽子屋さんにお金を持っていない子供が来ても、冷たくあしらうのではなく、お客様の想像次第でどんな帽子にもなる素晴らしい帽子です、と言って透明の帽子をくれた店長さん。
この透明の帽子が、ミリーの自由な発想で、孔雀にケーキに噴水に、と色々な帽子に変身します。
そして、みんなそれぞれ帽子を持っているというのもとても素敵ですね。
前から寂しそうなおばあさんがやってきた時に、ミリーがおばあさんに微笑みかけ、ミリーの帽子から鳥や魚が飛び出しておばあさんの帽子に飛び移ると、おばあさんが次のページではとても元気になっていました。寂しそうにしていることに気付けるミリーが本当に優しい。
お父さんもお母さんもミリーの帽子のことを、帽子なんてどこにもないよ、とは決して言いません。
世の中がみんなこんな素敵な人ばかりだといいのになと思いました。