「半日村」 ８歳のお子さんに読んだ みんなの声

この絵本の表紙の絵が昔学校で読んだ「もちもちの木」と一緒だったので手に取ってみました。半日しか日の光が当たらない村の山の頂上を村人たち全員、難題もわたって削り続けてとうとう一日、二の当たる一日村と呼ばれるようになりました。うちの子は山を人間が削っていったら半分になったというお話がとっても気に入っていたらしく、「すご〜い！！」と言って感心していました。

小さなことでもコツコツと。
努力することの大切さや達成感を描いた作品は、他にも多くあるのですが、こちらはスケールが違うと思います。
何しろ、「山」が相手で何十年もの歳月をかけているのですから。
それだけに、達成感は大きなものがあったと思います。

一日に半分しか日があたらない半日村。
口ではいろいろ言うのになかなか行動しない大人たち。
また、どうしようもないと諦めている大人たち。
でも一平は一人で立ち上がって、一人で行動をします。
すごいなぁ…とただただそれだけです。
さすがは斎藤さん。またまたすばらしい作品に出会えてうれしく思います。
5歳の次男も聞き入っていましたし、小さい子でもそれなりに理解は出来ると思います。

恥ずかしながら、この年になって初めてこのお話を知りました。
「モチモチの木」と同じ作者の絵本であることは、表紙を見れば一目瞭然ですが、図書館でも見たこと無かったのです。
「モチモチの木」は、教科書にも載っているようですが・・・。

これは、たくさんの子ども達に読んで欲しい絵本です。３年生くらいからは、読み聞かせに使うつもりです。知り合いの２年生のお子さんが、切り絵が怖くて読みたがらなかったらしいので・・・。（滝平さん、申し訳ありません。）

お日さまが半日しか当たらない「半日村」。誰もがあきらめていたのに、ある日子どもが一人、山を削って湖を埋め始めたのです。

大人なら誰でも、「そんな馬鹿な・・・！！」と思うでしょう。
でも！！　純粋な子どもの情熱が、村人達の心を動かしていくのです。その情熱は、子どもの子どもの世代まで受け継がれ・・・。
そしてとうとう！！　朝日が半日村に差し込んで、一日村になったのです。

この話を聞いている間、子ども二人はじっと聞いていました。
大事な何かを感じ取ってくれたことでしょう。
切り絵も美しく、大人になっても楽しめる名作だ！と感じました。