宮沢賢治の代表作の一つ「注文の多い料理店」。
あらすじは知っているものの、スズキコージさんの独特の挿絵と共に読むと、また一段とその良さが実感できました。
まず、表紙からして何やら不気味。料理店といえども、明るく楽しいレストランの話ではないことは一目瞭然です。
全体的に黒を基調とした色彩。下地に色を塗り、上から黒で覆って描くクレヨンエッチングのような画法が用いられていますが、とても細かくて美しい。
それが、この不思議な作品のイメージにとても合っていると思いました。
お話は、二人の紳士が色々の注文通りに進んでいくのですが、進めば進むほど何やら怪しい雰囲気に・・・
読み聞かせしながら、子供もドキドキハラハラ。最後の山猫の二つの目には「コワイ〜!!」
でも、山猫の会話にはどこかおかしさもあり、その後もあっ!と驚く展開で、怖さと面白さが同居した魅力的な作品だと思います。