すごく人気のある絵本のようですし、いろんな賞もとっているし…と図書館借りてみました。
でも読む以前から勝手に「これは男の子向けの絵本だ」と考えていて、娘に読み聞かせるつもりはなく(きっとかいじゅうの絵を怖がるし)、自分だけで読むつもりでした。
自分で読んでみた結果、なぜ人気があるのかわかりませんでした。
絵が怖いし、母親として、なんというか…嫌な感じを受けました。
これは読み聞かせせずに返そうと思いました。
なのに…図書館に返そうと積んであった絵本を、娘が寝る前に引っ張り出してきた!怖がりなくせに!寝る前に怖がってぐずったら嫌だなぁ…と思い、散々止めましたが聞かず、仕方がなく「怖かったら読むのやめるから言ってね」と念押しして読み聞かせしました。
結果、3度も繰り返して読むことになりました。翌日も翌々日も。
娘がわからない。何が気に入ったの?
娘に読み聞かせするうちに、私もこの絵本をちゃんと読むようになりました。
何度も読みながら、いろいろ考えるようになりました。
そして気づきました。
娘は時々、遊びのなかで、自分のぬいぐるみを叱っています。
叱る内容は、実際に自分が私に叱られた内容そのまま。
微笑ましいと思うか、嫌な感じを受けるかはその時の私の気分次第。
「まあまあ、なんでも真似したい年頃だし、叱られた内容をしっかり覚えているのはいいことじゃない?」と笑っていられるときもある。
でも、母親の皆さん!わかりますよね!
「おほほ…」と顔で笑っていても、内心は「ぐぬぬ…」(笑)
たいていイラッとするんです!
私は無意識のうちに、マックスと自分の娘を重ねてみていたみたい。
(だから嫌な感じがした…イラッとした)
一方で娘は、マックスのやりたいことがすごくわかるに違いない。
(だからお気に入りになった…共感している)
「この、かいじゅう!」と叱られたマックスは、本物のかいじゅうに会いに行き、えらそうに命令し、罰まで与える。母親である私は「ちょっとマックス、かいじゅうたちは何か悪さしたの?」と聞きたくなる。「叱られていたのはアナタでしょう?」と。
そんなことはマックス(うちの娘も)おかまいなし。
「だって、真似っこだし」と言い返してくるにちがいない。
そして無実の罪で叱られて罰を与えたかいじゅう(うちの娘はぬいぐるみ)をアッサリ片付ける。だって、おなかがすいたから。
母親である私はイラッとする。
でも夕ご飯は用意するのだ。プリプリ怒りながら。
母子の立ち位置が、これほど絵本の印象にズレを与えるなんて!
名作です。