虫好きの娘のために選んだ1冊。どのページも、虫、虫、虫。(でも、虫嫌いのお母さんでも大丈夫ですよ。アニメチックなかわいらしい虫さんばかりですから!)
虫そのものだけでなく、セミくんのお部屋のインテリアや小物にも興味津々の娘。「わあ、きのこのライトだよ!」「セミの絵が好きなんだね」・・・でも、このお部屋とも今夜でお別れ。「さようなら おうち、ありがとう」 後ろを振り返り、地上への階段を上っていくセミくん。ちょっぴり切ないけれど、新しい世界には、すてきなことがいっぱい待っています。
今日の日を心待ちにしていたくれたカブトムシのおじさんや他のみんなが、セミくんのために開いてくれたパーティー。ミツバチくんたちやアオムシちゃんたちが一生懸命に集めて、用意してきてくれたはちみつのおだんごやキャベツのサラダも、とってもおいしそうです。
「ミーン ミーン、うれしいな。いきてるって うれしいな。」
はかない命だと知っているからこそ、余計にセミくんの言葉が心に響いてくるのかもしれませんね。裏表紙の絵も、生きることへの希望にあふれていて、素敵な終わり方だな、と思いました。