「3びきのくま」のお話は、いろいろな出版社から出ていますが、私は福音館書店のこの本が1番好きです。ロシアの他の絵本と同様に、何と言っても絵が素晴らしく、それだけでも惹かれるのですが、ロシア語の長い名前がなぜか子どもたちの心も引き付けるようですね。我が家では、パパのフルネームも、似通った名前なので(!)聞きなれているせいか、娘もそれほど違和感なく発音もできるのですが、実際に読み聞かせてみると、難しい名前を1度では覚えられないようで、「ミハイル・イワノビッチって、どのくま?」、「お父さんのくまだよ」と、一々言い直さなければならなず、そうかといって、「おとうさんぐま、おかあさんぐま、こぐま」と替えてしまうと、この物語のおもしろさも半減してしまうと思い、「ミハイル・イワノビッチとうさん、ナスターシャ・ペトローブナかあさん、ミシュートカぼうや」と読むことにしました。
このお話を初めて読んだとき、「3びきのくまは、おんなのこに おいつけませんでした。おしまい」と、読み終えた瞬間、娘は「えっ?」とだけ言って、声を出さずに口を押さえて笑いました。「おもしろかった?」と聞くと、今度はわざとらしいくらい大きな声で「あっはっはっは」と笑うので、わけもなくこちらまで可笑しくなって、2人で大笑いしたのを思い出します。