何とも不気味な題名です。
おおよそ、姫の名前には不向きなキャベツ!?
幻想的な絵が魅力の、エロール・ル・カインの作ということで、セレクト。
予想通り、エキゾチックで中世風の創作寓話でした。
おこりんぼうの王さまがいて、いつも文句を言って怒ってばかりだったのです。
ある日、森の中で出会った不思議な男に、いつものように無礼な口を利いたために、
呪いをかけられてしまうのです。
王さまの悪口が現実になる、と。
かくして、ついついいつもどおりに怒ったために、姫もキャベツになってしまった、
という次第。
もちろん、周りの人々も、野菜になったり、クジャク、鶏になったり。
この造形が、実に迫力満点です。
いくら呪いとはいえ、身から出たさび。
王さまの反省も今度ばかりはよく効いたことでしょう。
実に見事な寓話で、大人も子どもも考えさせられます。
訳者のあとがきもぜひ読んでほしいです。
このストーリーをさらに深く味わえますよ。