オランダの作家さんの児童書です。
ヨーロッパでは親の離婚や、籍を入れていないパートナーとの共同生活などが結構当たり前のようです。が、子どもたちの立場からそういう生活スタイルを見ると、頭では分かっていてもやっぱり感情が追い付かない部分ってあると思うんですよ。
その証拠に、最近のヨーロッパの児童文学の物語には結構子どもから見た親の話(片親であったり、親のパートナーのことであったり)を描いたものがとても多い気がしました。
この作品もそういう部類の1作です。
日本の子どもたちに比べて、「テス」はかなり行動的な子ですが、見ている側としては、なかなか面白いキャラクターでした。
主人公のサミュエル少年の登場シーンは、休暇でやってきた海辺でお兄ちゃん・お父さんとのやり取りから始まるのですが、その会話の内容がやや唐突過ぎて、会話の後ろに描かれているバックボーンがよく見えなかったのが残念です。
全体的には流れのテンポもよく、ページ数も程よい長さなので、小学校高学年くらいのお子さんたちなら読みやすいと思いました。