細かい部分に目を向けると、ちょっと無理のある展開とも言えなくもないですが…迫力と勢いで軽々とそれらを乗り越えてしまうような、パワフルな絵本です。
最初、遠くの島から煙が上がった時、なぜ、どんぐりたちがそこを目指さなければいけないのかが謎だったのですが、そういう目的があったのですね。最後まで読み進めて、納得しました。
突っ込みどころは結構あります。秋のイメージの強いどんぐりたちが、なぜか上半身裸の南国風の身なりだったり、途中で芽が出てしなったら旅を続けられない、という理由も、わかったような、わからないような…。
マヨネーズの空き容器で、荒れた海を渡るのも、ちょっと難しいよなぁ、などなど。
でも、そんな小さな疑問も彼らの熱量に圧倒されて、まあ、いいかという気持ちになってしまいました。
ページの隅々まで書き込まれた絵は、見応え十分。ひとつひとつのどんぐり、その種類による違いも、丁寧に描き分けられているのがよくわかります。
読み終わった後は満足感いっぱい。私も一緒に冒険に行ったような気持ちになりました。