何とも壮絶なお話です。
背景に実在の人物がいると知って、驚きとともにいたたまれない気持ちになりました。
ドイツ兵から逃れるために、必死なスルリックは、家族を失い、仲間を失い、名前も失い、右腕も失いました。
絶望とギリギリのところで、逃げて逃げて逃げて、走って走って走って、懸命に生きようとした少年が十歳に満たないなんて、信じられない生命力です。
多くの出合いが、少年を落とし入れたり助けたりするところは、運命だったのでしょうか。
ともあれ、生き延びることができたから、この物語があるのでしょう。
緊迫感から解放されたラストシーンまで、一気に読んでしまいました。