話題
移動するものたち

移動するものたち(小学館集英社プロダクション)

谷川俊太郎さん推薦! 黒い夜の森を捨て、旅に出る動物たち……移民の旅の現実を描くサイレント絵本

  • 泣ける
  • 学べる
話題
むげんことわざものがたり

むげんことわざものがたり(偕成社)

好評につき2刷!ことわざがつながって、ひとつの物語になったおもしろ絵本

  • 笑える
  • 全ページ
  • ためしよみ

クイールはもうどう犬になった」 ガーリャさんの声

クイールはもうどう犬になった 作:こわせ たまみ
写真:秋元 良平
出版社:ひさかたチャイルド ひさかたチャイルドの特集ページがあります!
税込価格:\1,100
発行日:1992年
ISBN:9784893255808
評価スコア 4
評価ランキング 28,217
みんなの声 総数 3
「クイールはもうどう犬になった」は現在購入できません
  • この絵本のレビューを書く
  • 人間の愛情を一身に受けて

     ラブラドールの子犬クイールが、盲導犬になるまでの3年間を写真で追った絵本。

    「ベルナの目はななえさんの目」で初めて盲導犬の存在を知った娘は、盲導犬が厳しい訓練を受けて、目の見えない人の「目」となり、全身全霊を捧げて辛苦を共にしながら、大事な家族となっていくこともよく理解していました。
     でも、訓練所に行くまでの1年ちょっとの日々・・・生まれてからお母さんや兄弟と過ごす束の間の時間、そして、人間に愛され、愛することを学ぶために、育ての親の「おじさんとおばさん」といっしょに過ごす1年間・・・については、この本を通して新たに知ることとなりました。

     お母さんのおっぱいに小さな鼻を押し当て、懸命に吸い付いてる生まれたばかりの子犬たち。うちにも、ブリーダーからもらった同じ写真があります。うちの犬は、その後まもなく、お母さんの元から直接我が家にやってきて、以来ずっと私たち家族といっしょに暮らしていますが、クイールは、最初からたった1年だけという約束で、「おじさんとおばさん」の家に預けられます。そのおじさんとおばさんの表情の和やかでやさしいこと! 本当に我が子を見つめる温かい眼差しです。どの写真も、笑顔、笑顔。クイールも心の底からうれしそう。

     そして、楽しい時間はあっという間に過ぎていき、再び「おとうさんとおかあさん」とのお別れの時が訪れます。
    「クイール、きょうは おもいきり さんぽしようね。」・・・クイールが大好きな散歩を、いつもよりずっと長くしてくれました。そして、何度も何度もクイールを抱きしめてから、車に乗せました。
     ここの箇所を読むときにはいつも、胸がいっぱいになって、涙で声が詰まってしまいます。愛情を一身に受け、何の心配も不安もなく、ただただ無邪気に駆け回り、甘えていたクイールの子犬時代は、今日を境に終わってしまうんですね。

     けれど、ほんのわずかな短い間でも、愛される喜びを心で味わったクイールだからこそ、その後の厳しい訓練にも耐えることができ、盲導犬としても立派に役目を果たすことがかなったのでしょう。人間の子どもも同じですね。幼い頃にかけてもらった愛情は、生涯の宝になることと思います。

     クイールは、「めのみえないおじさん」の「こころからのともだち」になりました。どんなときもふたりはいっしょです。

     娘は、我が家の愛犬のことを考えながら、「○○は、『まて』って言っても、すぐに『ひーん、ひーん』ってないちゃうよね。」とか、「びゅーんって引っ張っちゃうから、目の見えないおじさんが転んじゃうね。」と、盲導犬になるための厳しさを実感していたようでした。

    投稿日:2010/02/04

    参考になりました
    感謝
    0

※参考になりましたボタンのご利用にはメンバー登録が必要です。

さらに「クイールはもうどう犬になった」のみんなの声を見る

「クイールはもうどう犬になった」にみんなの声を投稿された方は、こんな絵本にも投稿しています

きんぎょがにげた / しろくまちゃんのほっとけーき / もこ もこもこ / おつきさまこんばんは / がたん ごとん がたん ごとん / ぐりとぐら

絵本の人気検索キーワード

ぐりとぐら /  はらぺこあおむし /  バムとケロ /  こびとづかん /  はじめてのおつかい /  そらまめくん /  谷川俊太郎 /  ちいさなちいさな王様 /  いないいないばあ /  いやいやえん /  スイミー /  飛び出す絵本

出版社おすすめ



絵本ナビ編集長『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』2月24日発売!

みんなの声(3人)

絵本の評価(4)


全ページためしよみ
年齢別絵本セット