一枚の壁が壊されることになって、様々な生き物たちがその周りに集まってきます。
彼らにとって壁は、疲れた体を受け止める背もたれになったり、越えるべき目標になったり、周りの攻撃から身を守る盾になったり…、時には出会いを演出してくれるような粋なはからいもしてくれる、かけがえのない存在だったのです。
形あるものがいつか壊れてしまうように、大切な人ともいつか離れ離れになってしまうかもしれない。
だからこそ、感謝の気持ちは、相手に届くようにしっかりと伝えていかなければいけない、そんなことをこの絵本を読んで感じました。
役割を終えて、壁が安心したように空へ飛びたっていった後で、みんなで記念写真をとる場面がとても印象的でした。
みんなそれぞれが、自分にとっての新たな壁を探しながら、これからも歩んでいくんですね。
とても静かですが、とても勇気がもらえる絵本。大人だけではなく、小、中、高校生にもおすすめしたいです。