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生きる」 夏の雨さんの声

生きる 詩:谷川 俊太郎
絵:岡本 よしろう
出版社:福音館書店
税込価格:\1,430
発行日:2017年03月05日
ISBN:9784834083262
評価スコア 4.63
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  • 谷川俊太郎さんの詩に岡本よしろうさんが絵をつけた、詩の絵本。
     2013年に月刊「たくさんのふしぎ」に載ったものを2017年にハードカバー化された。
     谷川俊太郎さんの詩は、実はもっと以前のもの。
     絵本の巻末に載っている谷川さんの言葉によると、「まだミニスカートが新鮮に感じられたころ」だという。「若い女性の写真といっしょに雑誌に載った」らしいから、女性誌からの依頼だったのだろうか。
     「言葉は力まずに自然に出てきたように記憶」していると谷川さんが書いているように、言葉は平易だし、声に出して読むのにちょうどいい。
     けれど、やはりテーマは重い。
     海外向けだろうか、英文のタイトルは「WHAT’S LIFE?」となっている。
     つまり、いのちって何だろう?

     この詩の中で、特に第二連が好きだ。
     「生きているということ/いま生きているということ/それはミニスカート/それはプラネタリウム/それはヨハン・シュトラウス/それはピカソ/それはアルプス/すべての美しいものに出会うということ/そして/かくされた悪を注意深くこばむこと」
     なにげないものをいくつも並べ、それを「美しい」という。
     普段の生活の中で、私たちはそのことを忘れていないだろうか。

     そのことは岡本さんの絵にもいえる。
     重いテーマの詩だが、つけられた絵はある町のどこにでもいるような家族の日常。
     そんな日常の中にこそ「生きる」意味があるのだと教えられているような気がした。

    投稿日:2021/05/23

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