涙腺を刺激して止まないお話です。
夫を亡くし、子どもにも死なれてしまった母ギツネが見たのは、幻影の電話ボックスでしょうか。
野辺にポツンとある電話ボックスから、入院している母親に電話をしている少年を見守る姿には、子ギツネに対する追憶と母性愛を感じます。
母ギツネも、死んだ子どもに電話をかけたいのです。
でもできない…。
撤去されることになった電話ボックスに替わり、自分が電話ボックスに化けて、少年を包み込むところなどは、たまりません。
絵がとても幻想的で、お話をとても効果的に包み込んでいます。
童話を凝縮した絵本のようですので、童話は必読と思いました。