娘と読んだ2冊目のべスコフの絵本。今度は、男の子が主人公ですが、最初に読んだ「おりこうなアニカ」の中にも、ウッレという男の子が出てくるので、「ウッレじゃなくて、ペレ?」と言いながら、またお友達が増えた、というような感覚で、読み始める前から、お話に親しみを感じたようでした。
そして、驚いたのが、表紙の絵だけで、すぐに娘がべスコフの絵だとわかったこと。べスコフの絵からは、なんともいえない温かさが伝わってきますね。娘のお気に入りは、1ページ目の子羊を抱いたペレの絵。ペレも子羊も本当にかわいらしい目をしています。
物語は、「けを すく」、「いとに つむぐ」、「いとをそめる そめこ」、「きれを おる」など、現代の日常生活からは失われてしまった言葉(工程、作業)の連続で、子どもにはなかなか想像ができない部分が多いかと思いますが、そこは、べスコフのすばらしい絵が助けてくれます。丁寧な描写をみながら、「糸はこうやって紡ぐんだね」とか、「わあ、白い糸が青になったね」と、いっしょに感動しながら読み進めていきました。
労働の尊さだけでなく、楽しさも教えてくれるこの絵本。お金さえあれば何でも簡単に手に入る今の時代にこそ、子どもたちに読み継いでいってほしいな、と思いました。