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まほうのさんぽみち

まほうのさんぽみち(評論社)

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焼けあとのちかい」 夏の雨さんの声

焼けあとのちかい 文:半藤 一利
絵:塚本 やすし
出版社:大月書店
税込価格:\1,650
発行日:2019年07月12日
ISBN:9784272408573
評価スコア 4.77
評価ランキング 685
みんなの声 総数 12
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  • 「歴史探偵」を自認していた作家の半藤一利さんが亡くなったのは、コロナ禍が猛威をふるっていた2021年1月のことでした。享年90歳でした。
     自身初めての絵本となったこの作品は2019年7月に刊行されたものです。そのテーマは「戦争」です。

     半藤さんは1930年で東京の向島に生まれました。
     この絵本のはじめの方では、友だちと遊びころげていた姿が描かれています。
     そんな生活が一変したのが、1941年12月のアメリカとの開戦でした。その時の町の人々の表情が「晴れ晴れとして明る」かったと、半藤さんは記憶しています。
     しかし、いろんなものが生活から消えていきます。大好きだったベエゴマ、動物園の動物たち。
     やがて、町の人たちから笑顔も消え、母ときょうだいも疎開し、15歳の半藤さんは父と二人残ることになります。
     そして、1945年3月10日、東京下町に大量のB29機が襲いかかってきます。東京大空襲です。
     その時の様子を半藤さんはこの絵本で詳細に綴っています。
     生きるのも死ぬのも、わずかな違いだったともいえます。そんな生死の境を半藤さんは生き延びました。

     「いざ戦争になると、人間が人間でなくなります」と、半藤さんは書いています。
     焼きあとに立った半藤さんは、自分が死なないですんだのも偶然だし、生きているのも偶然、この世に「絶対」はないと思います。
     そして、「絶対」という言葉を使わないで生きていきます。
     そんな半藤さんですが、この絵本でその言葉を使って、こう語りかけます。
     「戦争だけは絶対にはじめてはいけない」
     絵本の形でこのメッセージが残された意義を伝えていかなければなりません。

    投稿日:2021/08/15

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