北欧の田舎の村に住む子どもたちの、冬〜夏ごろにかけての楽しい体験をつづったお話。
原書:1949年刊行。本書は2019年に刊行された日本語版。
昔のスウェーデンの、山奥の村に住む農家の暮らしや、森や川などの自然の風景を想像しながら楽しむ。
きっと著者の素晴らしい子ども時代の思い出が下敷きになっているのではないだろうか。
理想的な家族、元気な子どもたち、お金持ちではないけど心豊かに暮らす人々、堅実な生活。全てが美しい。
小さい子どもがやりそうなことが、実に生き生きと描かれている。自分の子ども時代も、まだ兄弟が多い(3人くらいいるのが普通だった。一人っ子は少なかった)ので、兄弟どうしでいろいろやらかした思い出も思い出した。
(もっとも、うちは田舎と言っても日本の寒村。温かい家庭とは程遠い、怒鳴り声と暴力が支配する恐ろしい家だったが)
小さいころにこんな素敵な思い出があったら、さぞかし人生が豊かで楽しいものになるだろうなと思った。
楽しく美しいが、しっかり現実生活をしている様子もあり、安心して読めるお話。
それぞれのエピソードが短編集のように独立しているので、適当に休みながら読んでもいい。
最初から通して読むと、素朴な農村生活の春夏秋冬を体験出来て、それも素敵だ。