この絵本の題名は、初めの「リック」のところが、太い大きな字で、次に描かれている「リック」のほうは細い気持ち小さめな字になってるのが、実はポイントなんです。
この絵本には、巨人が住んでいる国に生まれたとても小さな子供のリックと、小人の国に生まれたとても大きいな子供のリックが、登場するのです。
それぞれの国のサイズにも風習にも合わない二人のリックは、悩んだ末に旅に出て、たまたま出会い、互いに相手の国に行って、幸せををつかみます。
ただ、この絵本のすごい手ころは、そこでハッピーエンドとならないで、素敵な伴侶を見つけた二人のリックは、ある日、もとの生まれた国に戻って、それぞれの親に彼女を紹介し、みんなに祝福されて、いい人生を送りしたとさ。みたいに終わります。
うまく言葉にできないのですが、私は、これまでのお話のような自分に合った場所を見つけたところで「めでたしめでたし」にならず、更に一歩進んで、もとの場所に戻ってみんなに認めてもらったところで終っていることに感動しました。
なんだか、生きていくための力強さを見せられた気がしました。