『ちいさいおうち』のバージニア・リー・バートンが絵を担当しています。
表紙からその疾走感の迫力に魅せられました。
つなぎのズボンをはいた、流しの火夫ゴウゴウと、ペットの犬ビュンビュンが活躍します。
流しの火夫というのは、あちこちの鉄道をまわって機関車に石炭をくべる人夫のこと。
ある駅で駅長さんに仕事を頼んだところ、犬同伴不可、ということでの騒動。
かくして、犬のビュンビュンと列車の競走と相成ります。
駅長さんのプライドもあって、列車は、貨物から、超特急までエスカレート。
でも、ビュンビュンは、見事競走に勝つのです!
『いたずらきかんしゃちゅうちゅう』でも見られた、疾走感溢れる絵は実に見事です。
表紙と裏表紙をあわせた画面構成はすごいです。
ビュンビュンの活躍の爽快さと、駅長さんの最後までプライドを貫いたあっぱれな姿。
この対比も痛快です。
訳出もお見事です。
ビュンビュン、ゴウゴウ、なんて、実にぴったり。
ゴウゴウの話し方も、「おいら」なんて憎いです。
やや長いストーリーで、機関車については解説が必要かもしれませんが、
子どもたちにはぜひ紹介したいです。