死を表現する絵本はいくつかありますが、この絵本の特徴としては、死が長いトンネルという、子供には少し抽象的すぎる表現です。
いろいろなことを教えてくれたアナグマさんの死は悲しいけれども、いろいろなことを教えてくれたから悲しいのか、いろいろなことを教えてくれない人であっても、大切な人の死は悲しいのではないか・・などと、いろいろなことを考えさせられますが、こういった、故人の生前の人生や関わりを感慨深く思い起こして死を悼む・・ということは、子供には難しすぎ、わかりにくいと思いました。
この絵本に感銘しているのは、子供ではなくて大人であることも着目すべき点だと思います。つまりこの絵本に共感できるのは、ある程度の人生経験のある大人であって、子供向けではない、子供向けであるとしたら、もう少し分かりやすい死の表現が必要である・・と思います。