よくばりがエスカレートするおばあさんと、徐々に怒りを露にしていく海の様子が、「最後はどうなるのだろう?」と、読みたい気持ちをかき立てます。
子どもの大好きな繰り返しと、しっかりと教訓のきいたあらすじに、とても読み応えがあり、さすが長く伝わってきた昔話!という骨太さを感じます。
挿絵もゴッホのような力強いタッチで、個性的です。
それにしても、欲の深さが際立つおばあさんと(もう独裁の域です!)、人がよく、言いなりのおじいさん。この二人はどうやって知り合い、結婚して、何十年もの間連れ添ってきたのだろう??と、話の本筋からそれた所で、想像力が働きます。こんなありえないキャラクター設定が、昔話のパワーの源なのかもしれませんね。