この絵本の評価は、私自身のものではなく、我が家の子供たちです。
目の付けどころが面白かったのかもしれません。ちょっとばかり教訓めいたところもありましたが、決してお堅いストーリーではなく、奇想天外の「本をたべる男の子」に夢中になったようでした。
まず、出だしが良いです。
『ヘンリーは本がだいすき。でも、ほかのみんなが 本を 好きっていうのとは ちょっとちがう。なぜって…』
と始まるのです。
実はヘンリーは、本をたべるのがとても好きな男の子だったのですが(題名にもあるので察しはつきますが)、本をおやつのように、果てはご飯のように食べるようになるまでの経緯が、妙に面白かったです。
当然のごとく(?)「本をたべる」行為は、長くは続きませんでした。けれど、別の形で本を好きであり続ける方法を見つけるのです!
そう、食べるのではなくて、本を読むことも楽しいということに、ヘンリーは気づいたのでした。
作者のオリヴァー・ジェファーズという方は、この辺の気持ちの流れや時の流れを無駄なく、上手に見せてくれました。
最後のページの仕掛けにも、この絵本を読んだ子供たちをワクワクさせてくれました。
こういう洒落た仕掛けのある絵本が、もっともっと世に出てきてほしいと思います。