方言で書かれた絵本はたくさんありますが、
八郎ほどありのままの方言で書かれている絵本も珍しいかも知れません。
斎藤隆介さん・滝平二郎さんのコンビですが、ほかの作品に比べて語尾や話し言葉に方言が余すことなく使われています。
だからと言って読みにくいという訳ではなく、
東北に馴染みのない私でもきちんと意味はわかるし、
秋田の八郎潟を語ったこの物語の世界にどっぷりとつかることができます。
全ページモノクロの画調も、この作品の良さです。
モノクロであるからこそ、八郎の心優しさ、力強さ、
そして東北の空気感が表れているのだと思います。