10年ほど前、邦訳が出る前に原書で出会って一目惚れした本です。文字はほとんどなく、絵だけでストーリーが展開していきます。この精緻でありながらどこかユーモラスな絵が、ストーリーのナンセンスさ加減を見事に吸収して、「もしかしてもしかしたらカエルって毎週飛んでたりすんのかしら???」という気分にさせられてしまうんです。絵が必要以上にデフォルメされていたり、またリアルすぎたりしては絶対にたどり着けない世界観の調和。このお話にはこの絵しかないんです。絵本って、やっぱり「絵」の「本」なんだなあと、しみじみ思い知らされた一作です。
また、ラストの余韻の残し方がとってもおしゃれ。見せすぎず出しすぎず、読者の心の中にこの先の物語の「種」だけをぱらっと落としていくような感じ。実に見事なさじ加減なのです。
絵がすべてを語ってくれるので、小さな子でも楽しめると思いますが、個人的には、この絶妙なバランスを楽しめるようになるのは比較的年長の子供ではないかと思います。ちなみにうちの子供(2歳)には、まだ見せていません。