最近、小沢正の作品が気になっているので図書館で検索して出てきたのがこの本です。小沢正が訳しています。
このお話の元は、有名な「おおかみがきた」と言っていたうそつき少年のお話なので、馴染みがあると思います。
トニー・ロスの「はらぺこおおかみと7ひきのこやぎ」も読んだことがあり現代版という感じを受けましたが、このお話も現代版「おおかみがきた」です。
少年はハリーという村のそばに住む男の子。おおかみは、山の反対側に住みお腹が減ると「よそいきのふくをきちんときこみ」ます。そして村人を食べてしまうというわけ。
きちんとした紳士風なのに、人間を食べてしまうというおおかみ。
昔は怖いものといえば、野性の動物だったのかもしれませんが、今は不審者や変質者が出る時代。動物よりも人間の方が怖いかもしれません。私は見ていておおかみの顔をした人間に見えて仕方ありませんでした。
絵本の軽やかさの中に、怖いものが沈んでいるようで、じわじわした怖さがありました。
このお話、現代風になっているので、先にイソップのお話から読んでみた方がいいと思いました。