始終プッとふきだしそうになり、素敵な最後が待っている話でした。
子供がこの春から小学生になって、ちょっと長い話でも身近なものが題材の本なら楽しめ
るかもといつも思っているからか、本屋で棚を見ていたら目に飛び込んできた本でした。
最初から笑えるのが、この絵本の主人公の名前は、“にねんいちくみのこくばん”です。
この“にねんいちくみのこくばん”は、元々、王様の食卓になることが希望だったのです。
でも、全く使われることも注目されることもない2年1組の黒板でいることに耐えられず、
王様の住むところへと旅立つのですが.... という話でした。
“にねんいちくみのこくばん”だなんて全く長い名前で、何度も何度もこの名前は繰り
返され読むのが面倒くさいのですが、そこがこの話の面白さの1つでした。
そして、山口マオさんの何ともいえない味わい深い絵が、その繰り返される旅立ちを
淡々としながら面白みを加えていると思います。
やっぱり黒板だって、道具なのですから、使ってもらった方が幸せなんですね。
異国の地で必要とされて、本当に良かったね、“にねんいちくみのこくばん”!!
形態が普通の絵本より厚くて幼年童話ですが、全部のページに絵が見開きで描かれて
いて、字もページに比べると少ないので、あっと読むことが出来ます。
こういうちょっと笑えて素敵な結末って、小学校の読み聞かせで読みたいなぁと思う
本でした。お薦めです。読んでみてください。