前作で赤いよろいを着て騎士になったミスター・ベン。
今作では何やら縞模様の衣装で、囚人の世界へ!?
またまた例の不思議な衣装屋を訪れたミスターベン。
たまたま目に入った衣装を試着すると、囚人の牢屋の世界へ。
胸に書いてある「123456789」の数字が印象的です。
実は原題は『123456789 BENN』。
『ミスター・ベンとはいいろのかべ』という訳は、確かにわかりやすいのですが、
原題の数字の面白さも捨てがたいです。
さて、陰鬱な牢屋の世界ですが、ミスター・ベンは淡々とその暗い雰囲気を一掃してしまいます。
表紙といい、牢屋の世界といい、子どもたちには少しとっつきにくいかもしれませんが、
大丈夫です。
白黒とカラーの場面が交互に出てくるので、色彩にメリハリがあるように感じます。
そして、ミスター・ベンはどんな環境でも冷静な紳士。
それだけに第3者的な存在感で、読者と一体化してしまうような感じです。
独特の空間の描き方がこの世界でもとても効果的です。
ミスター・ベン、次作も楽しみです。