小澤俊夫さん、金井田英津子さんの『ねずみのよめいり』を読んだ後だったので、表紙のきらびやかさにびっくりしてしまいました。
大富豪の嫁入り話なんて、ちょっと偉そう過ぎるような…。
でも、絵はみごとです。
私がお薦めしたいのは、この本に収録されている「文福茶釜」の方です。
「鼠の嫁入」とは一転して貧乏なくずやさんとたぬきのお話です。
罠にかかっているところを助けられた子だぬきが、茶釜に化けて恩返しするお話です。
登場する人物の表情がとても品が良いことが印象的です。
性善説で成り立った絵物語だと思いました。