知り合いから譲っていただき、娘が2つぐらいの頃からうちの本棚にあったのですが、あまり読み聞かせに登場することはありませんでした。
当時まだ言葉を覚えたての娘には、昔話風の文章がわかりづらかったのと、左官、畳屋、呉服屋、刀鍛冶、ガラス吹き、飛脚など、小さい子供にはなじみのない職業ばかり出て来て、興味をそそられなかったようです。今5歳の息子もやはり反応が薄いですが、現在8歳になった娘はやっと話の内容がわかるようになり、さまざまな職業の挿絵を見ながら興味を持っています。小学校低学年から中学年ぐらいにオススメの絵本だと思います。
てんぐが主人公です。神様だったのに時代の流れから落ちぶれてしまいます。
すってんてんのてんぐは人間社会に入ろうとして、さまざまな職業を試すも失敗ばかり。でもあるとき、ついに「飛脚」という天職に巡りあいます。人生、挫折することだってままある。だけど誰にでも必ず良いところや得意なことがあって、人の、社会の役に立つんだよ、必ず良い時は来るんだよ、とさりげなく子供たちに教えてくれる本です。大人だって、元気づけてもらえる内容です。
結末もいいです。ポストが赤いのはそういうわけだったのね!
読後感はとても良く、ユーモラスな挿絵もおすすめのポイントです。