作者・安房直子さんの代表作で、国語の教科書にも掲載されている有名な「きつねの窓」に、大人になって出会う機会があり、それがきっかけですっかり安房ワールドにハマりました。
中でも、ピカ一で気に入ったのは、この「花豆で煮えるまで」です。安房さんの複雑な家庭環境を知人に聞いた後に手にした作品で、じ〜んと心に染みいるお話でした。
個人的な感触ですが、最近の小中学生は、今時のドタバタコメディーとか、学園ラブロマンとか、怖い話とかが好きで、こういった純粋なファンタジーを手に取る子は少なくなってきてませんか?
私が特にこの本をお薦めしたいのは、本は好きだけど、名作という作品はあまり読んだことないという子ども達。
特に主人公小夜と同じくらいの年頃の小学校中学年高学年くらいの子ども達に読んでほしい。
それから大人が読んでもびっくりするくらい、物語のなかに浸ってしまいます。
私が一番好きなのは、「第3話の湯の花」。温泉が大好きなおじいさんに湯の花を届けに行く話なのですが。
読んでいると、音とか、色とかにおいとかが、伝わってきて、とても温かい気持ちになります。
ぜひ、読んでみてください。